ドリンク一杯のためだけに、5時間かけて東京に向かった。

「スキップとローファー」にハマった。

心理描写が非常に巧みで、登場人物の感情の動きに思わず共感してしまう。
漫画もアニメも、作り手の熱量が感じられて素晴らしい作品だ。

漫画を読破した後に、コラボカフェが開催されていることを知った。
グッズは通販でも買えるようだが、コラボドリンクだけは東京だけの開催。

地方出身の身としては、よく見かける光景だ。
今までに、いろんな作品に没頭した。気づけば、イベントは既に終了していたり、遠地での開催だったり。
諦めることには、慣れていた。

だがふと思い立って、調べてみた。
東京までは往復5時間。
料金も捻出できなくはない。

唯一、明日だけは予定が無く、なおかつイベント期間が重なる日だ。
明日ならば、行ける。

コロナ禍が起きてから、旅行にも出かけず、家にこもることが多かった。
でもそのたった一日だけが空いている。
なぜか妙な縁を感じた。

なら、行ってみればいいじゃないか。

「ドリンク一杯のためだけに東京行ってくる」
「いやまあ止めないけどさ」

同居人からは半笑いが返ってきた。

翌朝。
いつもより1時間早く起きた。

「じゃあ行ってくる」
「え、本当に行くの?」

同居人からは呆れた声。
だが、「思い立ったが吉日」と言うではないか。

勢いのまま新幹線に飛び乗った。

久々の新幹線にあたふたし、東京駅で迷い、秋葉原の人の多さに驚きながらも。
なんとか無事にゲット。

欲しかったものを手に入れたことも嬉しかったけれど、
同じ作品のファンらしき人を見かけて、勝手に嬉しさを感じていた。

たった一日、この日しか無い瞬間に。
今しか出来ないことをやれた。

いつものように、諦めていたことでも。
自分はどこにでも行けるのだ、と分かりたかった。

ドリンク900円
プラス、新幹線の料金数万円。
でもそれ以上に、もっと価値があると、思えてならないのだ。

雑記
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